戦闘学園〜特別魔導師養成学校〜
「リリー!!俺の勇姿見てくれたー?」
こっちに叫ぶゼンに向かって、苦笑いしながら手を振る。
ごめん、ライトしか見てなかった...。
そんなにすぐ終わるなんて思わなかったし。
「リリアン」
今度はナナがやってきた。
まだライフはほんの少し残っている。
良かった...
無事だったみたい。
「ナナ、お疲れさま!」
「ありがとう。
それにしてもあの3人、すごいのね。
ヒーロー組のノマ姉弟ってかなり有名なのに」
「...え、あの3人、キョウダイなの!?」
「そうよ。なんでも、魔導師としてドラゴン駆除のアルバイトをしてるらしいわ」
す、すごっ...。
それってもう先生レベルってことだよね?
そんな3人を数分で倒したゼンたち...。
どうしてそんなに強いんだろう?
ますます謎だ。
あんなに強いなら、この学校に入らなくても十分やっていけると思うのに...。
『──生徒諸君に告ぐ。
ヒーロー組の主戦力が全員終了し、人数もわずか数人しかいないため、今回のテストではヒール組の勝利とする』
ノイズ音とともに、校長の声。
ヒール組から歓声が上がった。
『なお、ライフの防御設定を解除するため、これより攻撃を仕掛けるのは禁止だ。すみやかにスタジアム内から出るように』
良かった!!
あたし、危険地帯から脱せるんだ。
ゼンがくれた髪飾りのおかげで無傷だよ。
後でお礼言っとかなきゃ。
移動し始めたみんなにならい、あたしも回れ右をする。
「じゃあ、ナナ、部屋で会おうね」
「うん。またね、リリアン」