【短編】虹
「え…?なん…で…?」


用意しなきゃいけないのに、ベッドの上から動けなかった。


3年前より大人っぽくなった風ちゃんがあたしのベッドにもたれて眠っていたから…。


なんで…?


なんで…風ちゃんがここにいるの?


「ん…もう朝か…?」


ここにいるのが当たり前かのように風ちゃんは平然としている。


「ふ…風ちゃん…なんでいるの…?」


恐る恐る聞いた。


「朝からこんな話嫌かもしれないけど…いいか?」


寝起きとは思えない真剣な顔。


うなずくしかなかった。


「この3年前のあの一件以来、お前…毎年泣いてるだろ?」


え…?


「亜芽から聞いたんだよ。現に昨日だって泣いてた。」


亜芽とは…あたしのお姉ちゃんのこと。


お姉ちゃんに気づかれないようにしてたけど…バレてたんだね…。


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