教えて、空の色を
手を洗い……

手を強引に引き、部屋まで連れていくと抵抗できないように抱き寄せれば紗由理は身体を無理に捩った

顔が羞恥に赤く染まる

(なんかその姿もたまんない)

「あのさ、オレお前が本気で好きだよ
紗由理の世界に青がないのならオレが代わりに青を見せてやる……見えたんだろ?」

紗由理が顔を上げた

「青、見えた気がしたの…岳の空」

「紗由理のために描くから、オレが紗由理に青のある世界を描き続けてやる…だから」

「…」

バターのような甘い香りの紗由理を抱き締め直して耳に指で触れる

少しずつ近づいて唇を合わせれば
小さな吐息が聞こえる

「な、オレの傍にいろよ…紗由理…」

「…うん」

合わさった唇の振動が紗由理の気持ちを伝えてきて

何度も唇を食む

柔らかいさくらんぼ色の唇はほんのりパンの香りがする

「美味しそうだよな…お前って……」

「あ、油臭いよね」

「いーや?バリバリ頭から食べちまいたい…イー匂いだよ」

そのまま首筋に噛み付いた

「あの、離して?」

「やだ」

(逃げられてたまるか)

「に、逃げないから…」

「逃してたまるか…一生……愛してやるから」

「………うん……言葉には責任持ってよね?」

紗由理はそう言うとオレの事をベッドに押し倒した

なんて、あれオレなんか雰囲気に飲まれて

すげー大きなこと言ったような気がするけど……

紗由理以外にこんなに本気になったことないし

今必死で抱きついてくる紗由理が……

(可愛すぎるから……ま、いっか)


fin



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