教えて、空の色を
案内されて辿り着いたのは
ビルの1階にあるがログハウスのような外観のパン屋だった

「へー。可愛いな」

木の香りに癒される…街の中にある森のようだ

道すがら本当に彼女は自己紹介を始めた…

「お店は兄と二人で営んでいるんです…パン職人の兄とまだ見習いの私で…」

「ほーん」

「イートインコーナーもあったりして、焼き立てのパンも食べられるんですよ?」

「へー」

すごく嬉しそうにパン屋について話す紗由理は

先程までと違い幸せそうにみえた

綺麗な頬…触ったら気持ち良いのかな…

スッと

…店についてすぐに紗由理の頬に手を添える

「ひゃ!」

(可愛い…)

見つめ合い…そのまま抱き寄せようかと思ったその時

ドカッ

後ろから尻を蹴られた

「イッテ!!!」

「紗由理に触るなこのチャラ男!」

地鳴りのように低い声に後ろを向くと

(うげ、美人…男だけど)

真っ直ぐで濃い目の眉にキラキラな大きな目
高い鼻で分厚めだけど形の良い唇

身長は高くて体格も良い

バケモノ級のイケメンだった…

「んだよ、このバケモノ!」

「うるさい!ケダモノ!いーから離れろ、紗由理からっ!」

「お兄ちゃん!この人に頼むの!」

「は?何を!」

イケメンはピキピキと額に怒りによる血管を浮かび上がらせ…イライラを身体から滲ませている


「看板…この人に書いて欲しくて」

「ああ…看板…お前に任せるって言ったけども…
なんでこのチャラ男なんだ?」

ギロリとイケメンがこちらを睨む

(わーお、迫力…)
 
綺麗な顔立ちですごい目力で睨まれたらゾッとしてしまう…

「どうしても!…あの、河野さん!食べていってください」


紗由理がオレの手を引っ張った



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