早く目覚めてよ。俺の眠り姫
誰もいなくなった部屋の中、私はじっと横

たわっている自分を覗き込んだ。

死んだら普通、肌の色が段々変色していく

ものだ。それなのに青白くなる事もなく、

いつもの色白な肌のまま。


何かがおかしい・・・


もしかして、私生きてるの?


「何だ。まだ生き返らないのか」

突然声を掛けられて、振り返るとヴィッツ

がいた。彼は心配する様子もなく、偉そう

に腕組みをして立っている。

「いや・・・何か私、生きてるみたいで」

「え?あ、そういえば・・・全然変わって

ないな」

一瞬不思議そうに首を傾げた彼だが、私の

顔色を窺って気づいたらしい。

「生きてるのに、何で戻れないんだ?」

「それが分かれば苦労しないわ」

再び自分の体に入ろうとしても、やっぱり元

には戻れない。わけが分からなくて脳内が

混乱してきた。

「しょぼくれてる場合か。俺も手伝ってやる

から、何としてでも元に戻るぞ」
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