絆創膏
ヒトメボレ
高校からの帰り道。

私は
告白なんてする価値もないほど、
見ているだけで苦しくなるほど、
切ない一目惚れをしてしまった。

優しく微笑む横顔に見とれた。
その表情は、闇をも持つようで妖美だった。

すれ違いざま、
ふわっと香る。
高校生が付けているような安物とは比べ物にならないほどに奥深い香り。

甘ったるくも、さっぱりもしている。
だけど私は、この香りを言い当てるほどの知識と嗅覚は持っていなかった。


まだ、子供だからかな。

隣にいる、お腹の膨らんだ女性は、その香りの名前を知っているのだろうか。
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