恋するバレンタイン



「お、北野!俺のチョコは?
あー、俺これがいいなー!これちょうだい?」



あ、お前!

何言ってんだ!それは明らかに本命用のだろ!

これがいいなーじゃねぇんだよ!

それは俺が…!



「ごめん!渡辺くん…
これはちょっとあげられないんだけど、これどうぞ!すごく美味しいんだよ。いつもありがとう」


彼女はそう言ってあの紙袋を渡さなかった。


「なんだよー。それがよかったのにー。
でも、サンキュー!すごいうまそう!」


渡辺はなんでもないように引き下がり、帰っていった。




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