恋するバレンタイン
「わかんないところとか、困ったことがあったらなんでも聞いてね。」
最初は無難な会話からのスタートだったが、歳も割と近いおかげか、彼女は頻繁に俺を頼ってくれた。
はじめは仕事の相談を社内で受けるだけだった。
そこから少しずつ信頼関係を築いていき、連絡先を交換して二人で仕事終わりに呑みながら会社の話以外もするようになった。
俺なりに、彼女との距離が縮まった感じはしている。
彼女も少しは俺を気にかけてくれていると思う。
でも、やっぱり自信のない俺は彼女に"好き"だと伝えられない。
だから、今日なのだ。