浮気の定理－Answer－
いまさらながらに後悔しながら、冷蔵庫のビールを取りに立ち上がった。


他のパートさんとは、本気の業務連絡しかしたことがないっていうのに、どうかしてる。


好きとかそういうんじゃない。


ただ単に気になった。


彼女は仕事でも、他のパートさんみたいに、僕に頼ることなく、自分でなんでも黙々とこなそうとする。


そんなとこが、逆に放っておけないと思ったのかもしれない。


『趣味ですか？映画を観ること、かなぁ……』


思ったよりすぐに返信が来ていて驚いた。


ビールを飲みながらソファーに座り、スマホを何気なく見た時に現れたLINEの知らせ。


勢いよく体を起こしてその返信に食いついた。



――良かった……



とりあえず変な人だとは思われなかったみたいだ。


ホッと胸を撫で下ろしながら、もう一度LINEに目を通す。


――映画かぁ……


最近、忙しくて見ていないものの、映画は割りと好きで昔はよく見ていたなと思う。


どんなジャンルが好きなのかを返信すると、それにもまたすぐに返してくれた。
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