浮気の定理-Answer-
「あぁ、うん、先に食べるよ」
「良かった、じゃあすぐ仕度するね?」
大袈裟に喜んでみせながら、智子はまたスリッパの音をさせて奥に引っ込んでいく。
明るい妻だ。社交的で近所付き合いもいい。
娘とも姉妹のように仲良く、俺のいないところでよく二人揃って出掛けてる。
そんなときもきちんと俺の分の食事は用意していくのだから、出来た妻だと思う。
世の中の浮気する男は、みんな少なからず自分の妻に不満を持っていて、その延長線上に浮気があるんだと思ってた。
けれどそうじゃないってことは、俺が一番よく知っている。
そんな不満がなくたって、ましてや家庭を壊すことを望まなくたって、一瞬の隙があれば浮気は出来るのだ。
バレることを恐れながら、それでもなお妻以外の女に会いたくなる。
あの体が忘れられないのだ。
ふと目の前の妻を眺める。
もうずいぶん抱いてない妻の体は、50にしては弛みもなく、真由ほど豊かではないにしろ、胸もけして小さくはない。
「なに?」
俺の視線を感じたのか、智子が不思議そうに訊ねた。
「いや、いつも食事を作って待っててくれて、ありがたいなぁと思ってさ」
つい思ったまま、感謝の気持ちを伝えてしまう。
「良かった、じゃあすぐ仕度するね?」
大袈裟に喜んでみせながら、智子はまたスリッパの音をさせて奥に引っ込んでいく。
明るい妻だ。社交的で近所付き合いもいい。
娘とも姉妹のように仲良く、俺のいないところでよく二人揃って出掛けてる。
そんなときもきちんと俺の分の食事は用意していくのだから、出来た妻だと思う。
世の中の浮気する男は、みんな少なからず自分の妻に不満を持っていて、その延長線上に浮気があるんだと思ってた。
けれどそうじゃないってことは、俺が一番よく知っている。
そんな不満がなくたって、ましてや家庭を壊すことを望まなくたって、一瞬の隙があれば浮気は出来るのだ。
バレることを恐れながら、それでもなお妻以外の女に会いたくなる。
あの体が忘れられないのだ。
ふと目の前の妻を眺める。
もうずいぶん抱いてない妻の体は、50にしては弛みもなく、真由ほど豊かではないにしろ、胸もけして小さくはない。
「なに?」
俺の視線を感じたのか、智子が不思議そうに訊ねた。
「いや、いつも食事を作って待っててくれて、ありがたいなぁと思ってさ」
つい思ったまま、感謝の気持ちを伝えてしまう。