浮気の定理-Answer-
桃子はすでに用意が出来ていて、あとは化粧をするくらいだった。


きっと、最初から出掛けるつもりだったのかもしれない。


クローゼットからポロシャツとジーンズを出して、ベッドに放る。


まだ9月とはいえ日差しもきつく、桃子もだから涼を求めて水族館を選んだのかもしれないと思った。


パジャマを脱いで洋服に着替えながら、昨日の桃子を思う。


結婚して何年か経つけれど、やはり桃子の体は完璧だった。


もともと店の常連だった桃子を見初めたのは俺の方で、その容姿に惹かれたんだということは否めない。


連れて歩くだけで自慢だったし、バランスの取れた体に初めて触れたときには、興奮が収まらなかった。


おまけにこれだけ綺麗なのだから慣れているのかと思いきや、初めてではないにしてもどこかぎこちなくて……


俺はますます彼女にのめり込んでいった。


自分が桃子の体を開発しているような征服感に喜びを感じていたのかもしれない。


相性は良かったと思う。


恥じらいながらもだんだんと俺に応えるようになってきた桃子が、ここにきてずいぶん熟したように感じていた。

< 143 / 350 >

この作品をシェア

pagetop