浮気の定理-Answer-
いったい、何が起こってる?


この男は誰なんだろう?


それより、俺は、大丈夫なんだろうか?


犯罪者になれば、紗英を幸せになんか出来ないのに……


ぼんやりと頭の中で、今起こってる出来事を整理する。


吉岡真由だけじゃなかった。


この女さえ黙らせればすべてうまくいくと思っていたのに、そうじゃなかった。


どうしよう。どうしたらいい?


プルプルと震える手足は、一向に止まってくれない。


それどころかますますひどくなるばかりだ。


二人のやりとりをただ呆然と見つめていると、吉岡真由が男に抱き起こされたまま、こちらを見た。




「慰謝料、払ってくれるわよね?」




もう俺が断れないことを確認するかのような彼女の態度。


きっと断れば、また警察に行くとかなんとか言うつもりなんだろう。


仕方なく俺は頷いた。


これで紗英との結婚生活が守られるのなら、少しくらい慰謝料を払ったとしても、安いのかもしれない。




「金額は200万だから、よろしくね?」



「に、200万!いくらなんでも、多すぎるだろ?
せめて100万くらいなんじゃないのか!?」

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