浮気の定理-Answer-
清水の場合②
「和也……たまにはそのまま……来て?」
いつもは考えられないほど、今日のありさは積極的だった。
自分から俺を求め、しかもそのまま俺を自分の手で導こうとしてる。
こんなことは初めてだった。
俺とありさは相性がいいのか妊娠しやすい。
二人の娘も一発で出来てしまったのだから、慎重になるのは当然だ。
以前よりも仕事の量は増えたのに、給料は下がっている状況で、これ以上子供は無理だと二人で決めたルール。
だからある時期から避妊を欠かしたことはなかった。
俺だって生でしたい気持ちはやまやまだったけど、ありさの体を気遣ってきちんとそれを守ってた。
それなのに……
障害物のないそこにありさの細くて冷たい指が触れて、俺の理性はどこかへ飛んでいく。
いつもとは違う感覚に体がブルッと震えた。
もう十分に潤ったありさの中に、ゆっくりと自身を埋めてく。
夢中だった。
だからこのときは気付かなかったんだ。
ありさを失いかけてるんだってことに……