浮気の定理-Answer-



明くる日の昼間――


仕事に出ていた俺は、昼休みに牛丼屋に入って飯にした。


田舎のファーストフード店は、駐車場も広いから、休憩にはうってつけだ。


食べ終わってすぐに飲み物を買って運転席に戻る。


シートを倒して足をフロントに投げ出すと、いつものようにスマホを開いた。



LINEの着信を見て急いで確認する。



思った通りそれはリョウからで、俺はザッとその文章に目を通した。




『昨日はごめんなさい

あまりの内容に、なんて返信していいかわからなくて……

レオさん……辛かったですね

私、なんにも知らなかったから、勝手なこと言ってごめんなさい』




読み終わると、なんだかすごく切ない気持ちになった。


リョウの文面から伝わってくる労りみたいなものが、俺に現実を突きつけたような気がしたから……


きっと悩んで悩んで、どう返信しようか考えたんだろう。


昨日、自分が言ったことが俺を苦しめたんじゃないかって、気遣ってくれてるのがわかった。




『いや、そんなことないよ

リョウちゃんのおかげで冷静になれた

ありがとう』

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