浮気の定理-Answer-
「だから、今まで悪かったと思って……

クリスマスも正月も誕生日も、家族を優先させてただろ?

真由には、寂しい思いさせてたなって気づいたんだ」



――大丈夫なんだよ?真由……もう遠慮なんか要らないんだ……



そんな思いを込めて真由にそう言った。


俺の予想では、そんな俺の言葉が嬉しくて真由は涙を流す、はずだった。


俺の肩にしなだれかかり、抱いて欲しいと目を潤ませる。


そんな真由を期待してた。


いつでも彼女を抱けるように、今日もいつものようにいつもの部屋をとってある。


それなのに……



「離婚してどうするの?
まさか、私と一緒になるとか言わないよね?」



真由の否定的な言葉に、一瞬俺の思考は固まった。



――なんでだ?なんでそんなこと言うんだよ……



そうか……ちゃんとプロポーズしてないから、拗ねてるのかもしれない。



それに、父親のこともあるのだろう。


ここは、ちゃんと真由を安心させてやらなきゃ、男じゃない。

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