浮気の定理-Answer-
毎日毎日あいつらの後をつけながら、俺のイライラはおさまらなかった。


木下は俺の脅しに屈することなく頑なに拒否していたし、山本はこれがチャンスかのようにやたらと木下といる時間が増えていたからだ。


それでも俺は、あの画像のことや俺とのことを、木下が山本に話してはいないんじゃないかと感じていた。


だから腹いせに山本のパソコンにも送ってやったのだ。


お前はまだ見たことがないだろう、木下の美しい姿を。


俺はそれを触れられる位置で見たのだ。膨らみを手で包み込んだ感触もしっかりと覚えている。


俺の布団に横たわる彼女の柔らかさと汗の匂い。


お前は知らないだろう?そんなに彼女が好きなら見せてやるよ。


自分の方が優位にあることを知らしめたかったのと、こんな姿を俺に晒した木下を軽蔑すればいいと思った。


だけどそれは俺の思惑とは違った方向にいってしまう。


そのすぐあとだ。俺がハメられたのは。


真由と名乗る女が俺に接触してきて、あっけなく俺の宝物は全て消去されてしまった。


あの美しい裸体を見ることはもう出来ない。


怒りに震える俺に、あの女はさらに追い打ちをかけてくる。


証拠はある。警察に通報されたくなかったらこれ以上木下に近づくな。自分のことも詮索するな。


なんて勝手な言い分。

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