浮気の定理-Answer-
紗英の実家には行ったことがなかったけれど、だいたいの場所は以前に聞いていた。
その頃はまだ結婚とかそんな話など出ていなかったから、紗英も油断していたのだろう。
実家に行けば全てはっきりするだろうと、俺はその足で向かうことにした。
うちから二駅ほど離れた場所にある一軒家は、思ったほど迷うことなくすぐに見つかった。
紗英の言う事が本当なら、ここに彼女と子供がいるはずだ。
チャイムを押そうとして、一瞬ためらう。
全てを明らかにしたいと思う反面、本当のことを知るのが怖かった。
紗英がどんな言い訳をしたって、俺の立場は変わらない。
紗英は妻ではないし、子供も俺の籍に入っていないのだ。
おまけに携帯も繋がらず連絡も取れなくなっている状況を考えれば、これ以上良くなることはないように思えた。
でもだからといってこのまま泣き寝入りするわけにはいかない。
いろんなリスクを抱えてここまできたのは、全て紗英のためだったんだから。
意を決してチャイムを押すと、インターフォン越しに紗英ではない女性の声が返ってきた。
母親かもしれない。
「あの木下と申しますが、紗英さんはご在宅でしょうか?」
状況からして、紗英が自分の両親に俺のことを話している確率はゼロに近い。
その頃はまだ結婚とかそんな話など出ていなかったから、紗英も油断していたのだろう。
実家に行けば全てはっきりするだろうと、俺はその足で向かうことにした。
うちから二駅ほど離れた場所にある一軒家は、思ったほど迷うことなくすぐに見つかった。
紗英の言う事が本当なら、ここに彼女と子供がいるはずだ。
チャイムを押そうとして、一瞬ためらう。
全てを明らかにしたいと思う反面、本当のことを知るのが怖かった。
紗英がどんな言い訳をしたって、俺の立場は変わらない。
紗英は妻ではないし、子供も俺の籍に入っていないのだ。
おまけに携帯も繋がらず連絡も取れなくなっている状況を考えれば、これ以上良くなることはないように思えた。
でもだからといってこのまま泣き寝入りするわけにはいかない。
いろんなリスクを抱えてここまできたのは、全て紗英のためだったんだから。
意を決してチャイムを押すと、インターフォン越しに紗英ではない女性の声が返ってきた。
母親かもしれない。
「あの木下と申しますが、紗英さんはご在宅でしょうか?」
状況からして、紗英が自分の両親に俺のことを話している確率はゼロに近い。