浮気の定理-Answer-
清水のその後
「ありさ、明日映画でも行かないか?」
「あ、いいねぇ、見たい映画あったんだぁ……って、パパも見たいのあったんだよね?ごめん」
えへへっと舌を出しながら、「何がいい?」とスマホの映画アプリを検索し始める。
相変わらず映画には目がない妻が喜ぶ姿に満足しながら、俺は前から目をつけていた映画のタイトルを口にした。
「えっ!ほんと?やったー!私も見たかったやつ!」
途端にありさのテンションが上がったのを見てほくそ笑む。
当然だ。ありさの好きそうな映画を選んだんだから。
同じ映画を見に行くのでも、二人揃って楽しめなければ意味がない。
正直、お互いの趣味はだいぶ違っていたけど、その中でもありさが好きそうなもので、自分も決して嫌いじゃないジャンルを選ぶようにしていた。
きっとありさもそう思っていて、向こうから誘ってくる時は、俺の趣味に近いものが多い。
こんな些細な気遣いでも、気持ちよく過ごすには大事なことなのだ。
「あ、でもいつもの女子会とかぶらない?大丈夫そう?」
ありさは高校時代の同級生4人と毎月女子会を開いていて、元々映画サークルだった彼女たちは、その日に映画を見てランチをするのが定番だった。