浮気の定理-Answer-
なるほど……


浮気した女に本気になったから、木下が邪魔になったってわけか……


おまけに慰謝料は払いたくないから、あいつに不貞を働かせて、お互い様ってことにしたいんだと理解した。


確かに、慰謝料ってことになれば、200万から500万くらい払わなくちゃならない。


新しい生活に金もかかるだろうから、なんとかそれを阻止したいんだろう。


「それで……俺にどうしろって……」


好きにしていいと言われても、二人きりになるシチュエーションは皆無だ。


なにかいいアイデアでもあるんだろうか?


「同期での飲み会って、あるんですよね?」


「えぇ、まあ……

同期会なら定期的にやってますけど……」


月一での飲み会は、俺が唯一、木下と一緒にいられる場でもある。


必ず隣に座るように心掛けているし、その時だけは木下も俺を避けることはない。


「その時、桃子を酔わせて送ることは出来ませんか?」


「いや、あなたの奥さんなわけだから、知ってるでしょうが、木下はザルでしょう?」


「もちろん、知ってます
だから、これを酒に混ぜて欲しいんです」

< 48 / 350 >

この作品をシェア

pagetop