浮気の定理-Answer-
ベラベラと勝手なことを並べて、勝ち誇ったつもりか?


あの画像がなくなったのは確かに痛い。


だが、詮索するなだって?


そんな勝手な言い分が通ると思ってんのか?


ふざけるな!


「お前、覚えてろよ!

こんなことして、ただで済むと思うな!」


精一杯、虚勢を張りながら女を睨み付け、俺はそう叫んだ。


たかが、こんな小さい女一人、武器を持ってさえいなければ、たいしたことはない。


こいつが俺にしたように、俺もこいつを調べあげ、近づくくらい出来る。


そういう意味も含ませたつもりだった。


だから少しは怯むんじゃないかと、脅えた顔を見せるんじゃないかと思ったのに……


――笑ってやがる!


なんでだ?なんなんだ?この自信は。


女は口の端をわずかに上げて、脅えるどころか笑っていた。


「さっきの、聞こえなかった?

こっちにはあんたを脅すだけの材料があんのよ

ほら、これ、見えるかな?」


女はスマホの画面を、ズイッと俺の顔の前に突きだした。


「――っ!」


そこに映っていたのは、有り得ない姿の、俺の画像だった。

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