浮気の定理-Answer-
「わかった?

あんたのことは全部調べてあるの

これ、職場や実家に送られたくないよねぇ?

それに、桃子へのストーカー行為もちゃんと証拠は残してあるから、もしなんかあれば警察に持ってったっていいのよ?」


――この女……何者だ?


女のくせに、俺が気を失ってる間に、こんなことまでするなんて……


俺は愕然とした。


違和感があると思っていた下半身は、全部毛を剃られていたのだ。


しかも、それを画像に残すなんて……


もう、俺がどんなに脅したって無駄だとわかった。


ここまでする女なのだ。


俺がちょっとでも、木下やこの女に近付こうもんなら、確実に画像をばらまくに決まってる。


おまけに木下への嫌がらせも、全て警察に証拠を持っていかれたりしたら……


俺は終わりだ。


会社もクビになるだろうし、ましてや実家にも帰ることが出来なくなる。


――なんでだ?なんでこうなった。


俺は頼まれただけなのに……


あの男に、頼まれただけなんだ。


「わ、わかった……

もう木下には近付かない
そ、それに俺は頼まれたんだ!
だから警察には言わないでくれ!

さっきの写真も消してくれよ!

なぁ、頼むよ
俺が悪いんじゃない

あいつが悪いんだ!」


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