浮気の定理-Answer-
少しだけ彼女の眉がピクリと動いた。


そして、そのあとを急かすように、それで?と聞いてくる。


食いついた!そう思った。


全て話してしまえば、俺の画像も消してくれるかもしれない。


もう、あの男への遠慮なんかどこにもなかった。


「それですることしたら、写真を撮れって

証拠を残してあいつに見せろって言ったんだ」


必死になってあいつが悪いんだと訴えた。


全部あいつの指示だったと、俺はそれに従っただけなんだと……


女は難しい顔を崩さずに、淡々と質問してくる。


「そいつはなんのために?」


俺はあのとき男が話してたことを、必死に思い起こした。


「木下と別れたいけど、慰謝料は払いたくないって……確か言ってた!

浮気した女に本気になったって

だけど自分が浮気して離婚するとしたら慰謝料払わなきゃならないだろう?

だから、俺に好きなようにしろって言って、木下が浮気したってことにしたかったんだと思う

これで知ってることは全てだ

なぁ?全部喋ったんだから、それ、消去してくれるだろ?」

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