題名のない恋物語
小さい弟と妹がいるからか面倒見が良くて、責任感が強い。典型的に弱い人や困ってる人を見ると助けてあげたくなるタイプだった。
だから小学校の頃は良く低学年の面倒を見てあげていたし、重いものを運んでいるとすぐに手伝ってくれていた。
中学でも、学校の前の道で転んでしまったおばあさんを助けて学校に遅刻したこともあった。
話を良く聞いてくれる人だったから男女問わず恋愛相談されていたし、それが原因で浮気してると勘違いされてたこともあったけど。
本当に真っ直ぐでいい奴だなぁと温かい気持ちになる。涼の思いを、純粋に嬉しいと感じた。
「…ありがとう、なんかごめんね。そこまで考えてもらっちゃって」
「いや、別に…」
「有難い提案だけど、付き合うのは遠慮しておく。やっぱりそういうのは、ノリとかお試しとかでしたくないから」
「…そう言われるだろうと思った」
涼が優しく笑う。
「ごめん、変なこと言って」