題名のない恋物語
「いや、涼の気遣いはとても嬉しいよ。ありがとう」
テーブルの上に手を置いて深々と頭を下げる。
「あ、じゃあデートする?」
「で、デート?」
パッと顔を上げると、涼は照れも見えるが楽しそうに笑っていた。
「いや、よく考えたら手出さないのに付き合うっておかしくね?ってなって、デートなら付き合う付き合わない関係ないし別にいいかなって」
「えっとデートというのはつまり交際関係にある2人が待ち合わせして手繋いでキャッキャするあれですか?」
「女子とか友達同士でもデートとか言ってるし交際関係になくてもいいのではないでしょうか」
「はっ、確かに!」
SNSとかでも〇〇ちゃんとデートみたいなことを言っている女の子はよく見る。それに思い返せば自分も普通に友達同士で使っていた。