題名のない恋物語
涼は楽しそうにスマホを弄る。そして画面をこちらに向けた。そこには最近流行っている絶対に泣けると話題の映画のHPがあった。
「普通に遊びに行こうぜ。俺見たい映画あるんだけど、一緒に行ってくれる人探しててさ」
「あ、これ私も見に行こうとしてたやつ」
「さすが。感動系だし恋愛ものだし男と行ってもあれなのに別れちゃったからさ」
「なるほど」
「今週の日曜とか空いてる?」
「ニートしてる」
「じゃその日な。最近できたショッピングモール行ってみよ、買い物もできるし映画館もゲーセンもあるし。とりあえず11時に駅集合で、向こう着いたら飯食うか」
「うん。なんか、慣れてるね、さすがだね」
何気にモテる涼氏。さすがこういったことには慣れているんだろうなと思うと、涼はニヤッと笑う。
「まあね」
生意気だぜ!と思ったが、何しろ私は初めてなのでリードしてもらえるのは有り難かった。