題名のない恋物語
私たちは友達だ。
困った。
「理紗ー、この漫画の続きってどこにある……うわっ、何してんの?」
「ねーちゃーーーん…」
私は困っている。なぜなら、明日着ていく服をどうしたらいいのかわからないから。
姉は漫画を私の机の上に置くと、ベッドに倒れこむ私を呆れたように見下ろした。
「なにこの服?どんだけ散らかしてんの」
「明日着ていく服が決まらなくて…」
「おっ、デートか?男でもできたか?」
急に面白そうなものを見つけた表情に変わった。なんという姉だ。
「デートだけど彼氏じゃないよ……」
「まあまあ。じゃあ好きなの?」
「ホモ・サピエンスとしてはものすごく好きだよ」
「あんた何言ってんの」
ものすごく冷たい目で見られた。