題名のない恋物語
さすがにバッグはリュックしか持っていなかったので姉にショルダーバッグを貸してもらった。
とりあえず靴以外の全てを身に付けて鏡の前に立つと、姉はにこにこしながら褒めてくれた。
「いいじゃん可愛い!明日暑いらしいし上着はいらないかな」
「なんかありがとう。ほとんどやってくれて…」
「いいのよハーゲン◯ッツ3個で」
「待って増えてない?」
姉には笑って誤魔化されてしまったが、なんとか明日の服装が決まった。これで大丈夫。なんだかワクワクして眠れない。まるで遠足前日の子供みたい。
あ、そうか、デート前日ってこんなに楽しいんだ。こんなにワクワクするんだ。知らなかった。知ることができてよかった。
明日はもっと楽しいんだろうなと思いながら目を閉じる。思ったよりも早く意識が飛んで行った。
夢の中に涼が出てきたような気がしたが、内容はあまり覚えていなかった。ただ、とても楽しい夢だった。