題名のない恋物語
さっきの態度だって。
《…や、やめて。そういうの、ほんとに恥ずかしいから……》
真っ赤になりながら、顔ごと目を逸らして、手で頬を覆って。横目で俺を小さく睨みながら、ふて腐れたように、
《…涼のバカ。ヘンタイ》
そう言って黙ってしまった。
正直やばい。こんな反応するなんて知らなかったから。友達としての理紗しか見てこなかったから。
本気で焦る。もしこうやって、ただの遊びだとしてもデートしてる相手が俺じゃなかったら、絶対に好きになるよお前のこと。
ずるいもん、俺今日ずっと緊張してんだぞ。本当に好きになりそうで、やばい。
別れて1週間で別の人好きになるって、俺そんなに切り替え早いほうじゃないのに。