題名のない恋物語



理紗は髪の毛につけるやつを見ながら「かわいいなー」とブツブツ言っていた。


一つを手に取り、髪の毛に当てている。ゴールドの棒に赤や水色の混じったべっ甲のような模様をした花のモチーフが付いているものだった。





「それなんていうの?」

「これ?バレッタだよ。こうやって、髪につけるの」





理紗は実際に自分の髪の毛のひとつに結った髪のねじれている部分につけてみせた。


「こんな感じだよ」と言いながら頭の後ろをこちらに向ける。すぐに振り返って楽しそうに笑った。





「お姉ちゃんがアクセサリー系好きでたくさん持ってるから、よく貸してもらってるんだ。あ、このイヤリングも姉の」




そう言ってイヤリングに触れる。姉と仲良いんだなと思いながら、耳に触れそうになって焦った。


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