題名のない恋物語



「後5分くらいかな」

「そうだな。あ、マナーモードにしてねぇや」

「あ、私もだ」





スマホをマナーモードにしてから仕舞い、なんとなく目線を前にすると見覚えのある人がいた。


それは、1週間前に俺を振った元カノだった。一緒にいるのは見覚えがある、確かバスケ部のやつだった気がする。


どう見てもカップルにしか見えないけど、あれはいつからなんだろう。もし俺と別れる前からだったら、それはなんかもはや面白いな。


特に傷つきもしないのは隣に理紗がいるからなんだろうなと思った。俺たちは付き合ってないけど。




「…あ。あー…えーっと、涼、頭下げて」

「え」




言われた通り頭を下げると、元カノの話し声が聞こえる。楽しそうで何よりです。



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