舞桜
どうせ、放っておいても、私は死ぬんだ。
どうせなら、楽に、死にたい。

人は、時にして我儘なのだ。

-そうね、違うわ。

私に、あれが情をかけてくれるわけ、ないわね。
やはり、邪魔者だったのね。

『月に叢雲、花に嵐』

邪魔な物の喩えよ。

私は、このまま、お前を幸せには、しない。
例え、怨霊になっても。

萩の花を盛大に散らす、嵐にでもなろうか。
死に際くらい、見ていてやるわよ。
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