舞桜
萩の君は、霧がかってる、視界の悪い所で、一人立っていた。

(何処?此処。)

不安そうに、少し大きなお腹を摩っている。
これは、私に対しての、自慢?

(嫌だわ、怖い。戻りたいわ。水無瀬様は?何処におられるの?)

ふふふ。
あの、穀潰しを呼んだって、無駄無駄。

何故って、ここは、夢の中。人は、入り込めないわ。


「其方。」

誰も助けてくれない。水無瀬様も、来ない。
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