舞桜
尚侍様は、女御様を「あれ」と呼ばれるくらい、軽蔑なさっておりました。

とても、驚きました。
なんで、こんな事になったのか、と。

尚侍様は、アテクシに、裳唐衣一式を下さいました。

萩の衣でした。
だから、アテクシは、よく、萩の君と呼ばれるようになりました。

尚侍様。
貴女様のお陰で、恥をかかずにすみました。
ただ、女御様は、ポカン、となさっておりましたが。

それを、貴女様、覚えていらっしゃいますか?

アテクシは、昨日今日のことの如く、覚えております。
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