舞桜
咲いた徒花
ぎゃあぎゃあ、と泣き声がした。

穀潰し(私の元夫)は、それを聞いて、萩の君の側に寄った。

「え。」

赤子は、いなかった。
正確には、亡骸が、無残な姿で転がっていた。

「ひいっ!!」

近くにいた女房も驚いて、危うく殺到してしまいかけた。

「萩の君………」

あれは、声をかけた。
無駄。
無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!
< 36 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop