アフターバレンタイン
いつの間にまた眠っていたのだろう。

目を開けると窓のそとはすっかり暗くなっていた。

ベッドのそばの時計を見ると6時半過ぎを指していた。

起き上がると、大分体は楽になっていた。

枕元にある体温計に手を伸ばすと、玄関のチャイムが鳴った。

玄関近くの画面付きインターホーンに向かう。

「え?」

そこにはまさかの人が映っていた。


「どうぞ」

玄関で追い返すわけにもいかず、家の中へと案内した。

「体調はどうだ?」

「熱は朝よりも、下がったみたいです」

「そうか」

係長の手にはスーパーのビニール袋があった。

「晩御飯は、食べれたか?まだならレトルトだかおかゆを買ってきたから、温めるけど。あと食べやすいプリンとかヨーグルトとかもある」

「ありがとうございます」

「どうする?」

「おかゆ、食べたいです」

「じゃあ少し待ってろよ。念のためベッドにいたほうがいい」

そう言いおいて、係長はガスレンジに向かい、お鍋に水を入れて火にかけている。

「プリンとヨーグルトは冷蔵庫でいいか?」

「はい」

返事をした後に気づく。
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