突然降ってきたキセキ~今日から私がイケメンアイドル!?~
「あのぉ、翔、くん...」


そーっと翔くんの背中を指でなぞる。くすぐったいのかビクッと反応した。


「何だよ。イタズラすんなって」


「えへへ。2人きりなのが嬉しくて」


「まぁ俺は1人の方が良かったけどな」


翔くんはやっぱり「ツン」だ。付き合っていても、圧倒的に「ツン」の出現率が高い。


どうせだから、「デレ」を見たいな。なんて。


本当はそう思うんだけど、言ったところで見せてはくれないから。


だから私は我慢する。


ほんとはすっごくデレデレさせたいんだけどね。


「私は、翔くんと2人きりで嬉しいですよ?」


「...あっそ」


結局、彼からは愛想のない言葉しか返ってこない。ちょっと切なくなってしんみりした。


しばらく無言のまま時が流れる。
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