突然降ってきたキセキ～今日から私がイケメンアイドル！？～
弁解しようと陽希くんが必死に声を絞り出そうとしている。だけど私はもうどうでも良かった。


｢ごめんね。今まで散々迷惑掛けて｣


｢...おい、なつめ...｣


翔くんに腕を掴まれる。私はそれをそっと振りほどいた。


｢...ほんとごめん。これ以上みんなといるのはムリみたい｣


私の言葉に、翔くんが1番悲しそうな顔をする。私にはそれがどうしてなのか分からなかった。


｢良かったじゃん。今までムリさせてた私が悪いんだし。特に翔くんは、私の事なんて何とも思ってなかったでしょ？｣


そんな私の言葉に、翔くんの表情がどんどん暗くなっていく。次の瞬間にはギュッと彼の胸に抱かれていた。


｢...嫌だ。俺の傍から離れるなよ｣


微妙に声が震えている。


それでも私の気持ちはもう離れていた。


｢...ごめん、離して｣


翔くんが名残惜しそうに腕をほどく。私は黙って部屋を出た。
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