突然降ってきたキセキ～今日から私がイケメンアイドル！？～

充分犯罪者でしょ...っていう言葉はあえて呑み込んだ。


｢じゃ、行こっか｣


｢えっ！？行くってどこに｣


｢ま、いいからいいから。乗って｣


安藤さんは車を降りると私をムリヤリ後部座席に押し込む。誘拐犯さながらの行動に寒気がとまらない。


｢出発進行～！｣


｢ええっ！？ちょっと待ってよぉ～！｣


私、こんな事してる場合じゃないんだけど！退学のピンチでてんてこまいだっていうのに。


だけど安藤さんはそんな事お構いなしで悠々と車を走らせる。私の心情なんてものは全く眼中にないらしい。


｢さ、着いたよ｣


｢え？着いたって...ここ、どこですか？｣


20分ほどして着いたのは、真っ白な建物の前。全く見た事もなくて、私に関係があるようには思えないけど...


｢入ろっか。ほらほら、行って｣


｢ええ～？｣