突然降ってきたキセキ~今日から私がイケメンアイドル!?~
何をするのかと様子を見ていると、安藤さんがこっそりと眠る翔くんに顔を近づけている。


指の隙間からこっそり見ていたが、ギリギリのところで翔くんが目を開けた。


「うわぁっ!!気持ち悪っ!!!」


安藤さんが勢い良く蹴り飛ばされる。Mなのか嬉しそうにニコニコしていた。


「なーんだ。もうちょっとでキス出来たのに」


「気持ち悪い事言うな、変態が」


翔くんの軽い暴言に、安藤さんが切ない涙を浮かべる。そんな安藤さんを放置して、翔くんは起き上がると私に話し掛けてきた。


「それより、曲は完璧に覚えたのか?」


ストレート過ぎる質問に、私の心臓がドキーンと高鳴る。慌てて笑顔で取り繕った。


「も、もちろんです!」


いや、本当はかなり微妙なんだけど。


本当の事なんて言ったら、お披露目前に帰されてしまうかもしれない。


それだけは絶対に嫌だった。


「...分かった。だったらお前の歌とダンス、見せてもらう」
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