突然降ってきたキセキ～今日から私がイケメンアイドル！？～

｢頑張るのは当たり前だ。あと、Baby-Xの時は『私』じゃない。『僕』か『俺』にしろ｣


はっ。


そうだった。


言われて気づく。


そういえば私、男装してるんだった。


私がかぶっているウィッグは、金髪ショートの物。それをかぶるだけでまるで雰囲気が変わった。自分でも｢イケメン｣だと思ってしまったほど。


それから一番違和感があるのは、みんなと同じ衣装。苺をイメージしたピンクの衣装は、片方の袖がザックリと切られていて長袖のドット柄が見えている。ボトムスは今流行りのジョガーパンツだ。


｢どうでしょう？私...じゃなくて、僕...男に見えますか？｣


翔くんが分かりやすくうんざりした表情になる。


｢この期に及んでまだそんな調子か。お前は何の為ここにいるんだ｣


真剣な眼差しが突き刺さる。じぃっと顔を覗き込まれて思わず心臓が跳ね上がった。


｢俺がお前をリードしてやる。だからお前は俺について来い｣