突然降ってきたキセキ~今日から私がイケメンアイドル!?~
残された私は、隅っこに座ってベッドで眠っている彼を見つめていた。


「...ん......」


翔くんがゆっくりと目を開ける。私に気づくと不審者だと思ったのか一瞬だけ身構えた。


「って、何だお前かよ...」


「『何だ』って何よ」


翔くんの顔はまだ赤いまま。大して熱は下がってなさそうだ。


「...何かあった?」


突然、そんな事を訊いてくる。思わずブッと噴き出した。


「な、何かって!?何もないけど!?」


ほんとはいろいろあったけど、そんな事言えるわけないよ!


慌ててごまかす私を、彼は見透かしたように見つめてくる。その冷たい眼差しに耐えきれず白状する事にした。


「...あったよ。ほんとは」


「やっぱりな。分かりやすい」


翔くんに秘密事なんて出来そうもない。翔くんは何もかもお見通しなんだから。
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