突然降ってきたキセキ~今日から私がイケメンアイドル!?~
それをやっぱり翔くんが呼び止めた。


「待てって。病人を置いてくなよ」


縋るような弱った姿に思わずキュンとしてしまう。結局私は出て行けず部屋に残った。


「...何なんですか。翔くんって、私の事バカにしてますよね?」


「ああ、まあな」


翔くんは否定せずキッパリと肯定する。こんな人にドキドキしてた自分ってほんとに何だったんだ、一体。


「酷いです、翔くんは...私の事、もてあそぶなんて」


「やな言い方すんなよな。俺はそんな事した覚えはない」


翔くんのかいた汗を、近くにあったタオルで丁寧に拭いてあげる。綺麗な目が私をじっと見つめてきた。


チュッ


「...寝る」


彼は突然、私の顔を引き寄せると軽く口づけてくる。すぐに離れたらそのまま背中を向けられてしまった。



...私、キス...しちゃった。
< 49 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop