突然降ってきたキセキ~今日から私がイケメンアイドル!?~
ようやく翔くんが口を開いた。私も大和くんもゴクリと唾を飲む。


「...大和。こいつを抱き締めただろ」


「...ああ、そうだけど...それが何?」


大和くんの言葉に、またしても翔くんの目つきが悪くなる。大和くんはイマイチ状況が理解出来ていないらしい。


「『何?』じゃねえ。俺に無断でこいつを抱き締めるのはダメだ」


「何が言いたいんだよ。別になつめくんがお前の彼女なわけでもないんだろ」


大和くんもムッとした顔をしている。2人の間に不穏な空気が流れた。


「彼女じゃねえけど、こいつは俺のペットだ。俺のオモチャに手出すのはルール違反ってわけ」


「何だよ、それ...ほんと勝手だな」


呆れたようにタメ息をつく大和くんを見て、翔くんの機嫌がますます悪くなる。私は見ているだけで何も出来なかった。


「とにかく、こいつに無断で触れるな。俺に許可を貰ってからにしろ」


私を放置して話が勝手に進んでいる。この状況に、私はいるのかな。
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