スコール
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昼休みの購買は戦争だった。
あちらこちらで悲鳴があがり
パンが飛び交っている。

「も〜。最悪だ。なんで購買ってあんな人多いの!!髪の毛ぐっちゃぐちゃになったし。、足踏まれたし本当にないわ〜。」
「あいつ、何組よ!次会ったら 絶対やりかえす。」

リコのご機嫌は斜め

「わかる。人多すぎなんだよ。あたしお茶買うの忘れちゃった最悪だ。 」

紙パックのコーヒー牛乳を啜りながら言う。
あたしは購買戦争の戦闘能力は0だ。

「 コーヒー牛乳あるんだからいいでしょ〜!(笑)てか今日本当に暑すぎじゃない!?」

ブレザーを脱ぎ散らかして
シャツを捲り上げた

「そういや、明日から中間服だ」
「ブレザーおさらばか。6月下旬って微妙な時期だよね」

リコは手で顔を仰ぎながら言う。


季節は巡るのは早い
桜が散ったら 梅雨で 気がつけば初夏になって。

「一夏の恋的な経験したいわあ」
リコがポツリと呟いた。

一夏の恋かぁ
激しく切なく震えるような恋してみたい。
熱さにクラクラしたい。
名前を呼ぶたびにドキドキしてみたい。
切なくて泣きたい。

どれもこれも憧れだね。

「だれかいい人いないかな〜」
「男なんて星の数ほどいんのにね〜 藍にぴたっととハマんのは難しそう」

あたしたちの夏が幕をあけるね。
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