スコール
寒すぎる。本当に最悪だ。
ほんの30分前の自分を恨む。

海都がもっと強引に傘渡してくれたらよかったのに!!!もう、これは海都のせいだ!!

走り疲れたあたしは開き直って歩いてた。


その時一台のバイクがあたしを追い抜いて止まった。
ハーフヘルメットを取った男が降りてきて
あたしの方に向かってきた。

辺りが暗くてはっきり顔は見えないけど
そんな年上には見えない。
あたしと同じくらいの年齢かな?

男が近くに寄ってきて口を開いた。

「なあ、普通さ、走ったりしねぇの?」
「…」
雨の中走りもしない女を見て不思議に思ったのだろうか。
あたしは通り過ぎようとした。

だけど、男は あたしの腕をパシッと掴んで
「折りたたみの傘やるから ちょっと待てや。寒いだろ?その格好じゃ」
と言って バイクの中を探った。
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