スコール
隣で寝転がっていたリコが急に立ち上がった。
「ねぇっ!藍きいて!!」

その目の力にあたしは釘付けになった。
「リコね海都がだいっすき!藍の恋バナを聞いてリコも居ても立っても居られなくなりました!!!青春ど真ん中の高校生活 精一杯恋してます!(笑)」
って大きな声で宣言した。

この河原 本当に穴場って感じで
あたしたち以外はいないからね笑

自分のことをあまり話さない彼女だからこそ
あたしは嬉しかった。

「そんな事とっくに知ってるよ」
「え、藍に言ったことある?!」
「ないけど、わかる。海都くんの前だと あんた顔にスキって書いてるくらいバレバレだわ。」

大袈裟に笑った。

「ほら!藍も!なんか叫んどこ!(笑)」

えー、恥ずかしいし 嫌だ〜っていう
あたしを無理やり立ち上がらせる。

「んーー。」

あたしは顔をしかめた。

そして大きく息を吸い込んで
「ドキドキさせてんじゃねぇ〜よ〜」
って叫んだ (笑)

乾いてそうな芝生にゴロンと寝転がって他愛もない話をした。

澄んだ空の夕焼けは
2人を見守っていた。

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