スコール
ベッドに入り
毛布を被って 目を瞑った。
あたしの胸のちょうど真ん中 胸骨のところ
真下には心臓がある場所
毎日そこに ナイフが降ってきて胸骨を突き破る。

1日を振り返り
自分の事が許せなかったことと
生きることが辛くなった 合計が
ナイフの降って来る数。

想像のナイフだけれど
きっとあたしの心臓には無数の穴があいていると思う。
例えばあたしが死んで 解剖したら
本当に刺し傷になったりするんじゃないかと
少しだけ期待を抱く。

イメージの中のナイフが一本だけ本物で
あたしに刺さり そのまま死ぬこと。

最後の一本で 明日を迎えることがなくなること。

目覚めたくなんかない。

あたしはいつだって弱いんだ。

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