スコール

「遅くなって悪りぃな！煙草買いに行って…て？」
あたしと 彼を交互に見ながら 言う。

「晴さん！！！なにやってんすか」

確かに。彼が上からあたしにメンチ切ってるこの状況を把握する方が難しい。

「おめぇ〜が何やってんだよ。どこいってんだ。」

拓真は苦笑いしながら
「あ、えっと、煙草を〜…。（笑）自己紹介は…終わりました…か？ね？」

唖然とするあたし達をみて

「終わってな…い？みたいな感じっすね。えーと、こちら俺の先輩で海都さんの親友？マブダチ？家族？の 廣田 晴（ひろた はる）さん！」

「向かって こちらの方は 莉子の友達、あっ俺らの友達の 田崎藍 さん！」

あたしはとりあえず会釈した。

彼はボコっと拓真を1発殴った。
背を向け片手をひらひらとあたしに向かって振り
自分の部屋に戻っていった。

…晴って言うんだ、、。

一瞬の出来事すぎた。

「すまん！俺が家に居なかったせいで晴さんと最悪な出会いになってしまったな。あの人寝起きだけなんだよ。あんな感じなのは」

どっと疲れが出てきた。

「ふーん。変わった人だね！」
「いい人なんだよ。くそ かっけえし。」

これは再会を喜ぶべきなのか？

だからって あっちは
雨の日の事覚えてるかわかんない。

さっきの感じだと全く覚えていなさそうだったし。

ちょっとだけショックを受けた。

ーーーー
ーー

「そういえば、そろそろリコが帰ってくるんじゃない？居残りさせられたから （笑）」

「あいつさ、昔から要領悪いんだよな。生活検査とかみんなでどうにか捲っても いつもリコだけ捕まってんだよ」
「確かに、ちゃっかりしてるよね。あたしは中学時代ひとりで校則違反で先生と戦ってたなあ」

２人の中学の話は
いつ聞いても羨ましく思う。

誰かと笑っていて
彼ら彼女らの周りにはいつも大勢の仲間がいるから。

あたしには経験できなかった
義務教育 最後の青春だ。