スコール
「た!だ!い!ま!」
バタバタと音を立てて
海都くんの手をグイグイ引いてリコが帰ってきた。

「ただいま!!!晴が帰ってきてるの!!?」

「お前引っ張んなって痛い痛い」

キョロキョロしながら
あたしたちのいるリビングを見渡す。

「あれ?前はその辺で寝てたのに!晴〜!?」

辺りを一通り見た後に居ないことを悟ったみたいだ。

晴の部屋にノーノックで入り
中からとても機嫌の悪い彼の声が聞こえてきた。

「晴おかえり!!黒髪にしたの?!ねえ!!藍にちゃんと会った〜〜?ねえー?」
「…るせえな、早よ出て行けよ」「あ、お前さ、俺のリングしらね?」
「あ!あれ、この前海都が着けてたよ!」

リコは久しぶりの再会を喜んでいるようだ。

そろりと海都くんがリビングから立ち上がり
部屋に逃げようとした。

「この感じ懐かしいな」
「戻ってきたって感じっすね」

あたしも一応は溜まり場の人になったんだけど
4人には見えない深い深い絆がある。
そこにはまだあたしは1ミリ足りとも入れない
そんな絆が。

そんな4人を藍は眺めていた。


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