好き が多すぎて。
放課後、私はいつも
制服のままバイトに向かう。



私のバイトは大手洋服店の商品出し。



ほとんど裏で作業していて、
服をハンガーで掛けて商品を並べ、
売り上げを見ながら発注する。



たまにレジのお手伝い。



私はバイトが大好き。
高校生になったら自分で稼いで好きなものを買うって決めていた。



高1の夏休みからずっとここで働いている。



週5日、火曜と日曜が私の休み。



先生は毎週金曜日の夜に来てくれることになった。



暗い駐車場の車中で話す。



私にとって、大好きな時間になるだろう。



そんなことを想像し、着替えて作業に入った。



店長「おはよ〜!」



結花「おはようございます!」



バイト先の人はいい人ばかりで、特に店長はイケメンでモテモテ。
名前は藤原 かなた(ふじはら かなた)。



藤原店長はいつも気にかけてくれて、帰るときは、お疲れ〜!と言って私の頭をポンッとしてくれる。



毎回きゅんとしてしまうけど、みんなにやっているのかなぁなんて思う。



そして次にモテてるのがイケメンで少々チャラい副店長の前田 敬一(まえだ けいいち)。



この人は中々の女好き。
私も多分からかわれている。



副店長「ゆーいーかっ♪おはよ〜!今日も可愛い」



結花「あ、おはようございまーす、ありがとうございまーす」



副店長「そっけないなぁ。金曜暇?ご飯いこ!」



結花「金曜も学校とバイトです」



副店長「そのあと行こーよ!」



結花「丁重にお断り致します!」



副店長「なに?男でもできたか?!」



結花「いません!いつも断ってるでしょ〜!」



副店長「あーよかった♪
彼氏の枠開けててね♪
あと先生諦めて俺にして!
あ、やべ店長きた。この話は内緒ね!」



結花「別に内緒にするほどの内容じゃないし、、」



軽いノリでいつもこうだから、もう友達みたいになっている。


そして私が先生を好きなことを知っている存在。



2人で休憩中話してる時にバレたのだ。



裏での作業は基本的に人に合わない。
でもこの2人は毎回会いに来る。



社内でみんなが仲いいのはこういうのがあるからだろう。




そう思っていた。


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